「ちゃん、大丈夫?」
「んー、なんというか、凄い緊張する」
「おいいつまで廊下にいるつもりなんだよ、」
Noise and Silence
あれから学校について、今は廊下。
あと5分で予鈴が鳴るけど、やっぱり入りづらい。
周りでは私と冬獅郎は別れたことが広まっているだろうし
「嫌なら、別々に入るか?」
「それはいや」
「じゃあ、いつまでも埒があかねぇ。行くぞ」
「ぁ、ちょ、まだ心の準備が・・・!」
私の手を取った冬獅郎はぐいぐいと引っ張って、いつの間にか教室の前に。
中を覗くと既に多数のクラスメイトがいた。
「そんな心配すんなよ」
「そうだよ、大丈夫」
冬獅郎がドアに手を掛けると、前を向いたままそう小さく呟いた。
桃ちゃんと私の両肩に手を置いてそっと笑う。
それを見た私は静かに深呼吸をして「うん」と頷いた。
ガラガラガラ、
ドアが開くと、数人の生徒がチラリとこちらを向いた。
そしてザワザワとざわめき始める。
予想はしていたけれど、視線が痛すぎて泣きそうになった。
今教室内にいる人全員に見られている気がする。被害妄想かもしれないけれど、それだけ視線が痛い。
私の顔を見た冬獅郎は手をもっと強く握りしめてくれた。
「なんで、あの二人がまた一緒にいるわけ?」
「って阿散井って先輩と付き合ってんじゃないのかよ」
「もしかして二股?さいてー」
コソコソと喋ってる内容が、私には大きく聞こえる
自分の席に辿り着き、冬獅郎の手を離すと少し音を立てて鞄を置いた
その音で何人かが喋るのをやめた。
私は何も言わず椅子に座り、鞄の中から教科書などを取り出す
再びざわめき始めると、予鈴のチャイムが鳴り響いた
私には冬獅郎も桃ちゃんもいてくれるから、このくらい大丈夫だ
二人がいてくれれば耐えられる。
恋次には、どうやって説明しよう
きっと、話せばわかってくれるよね。
私はポケットから携帯を取り出し、恋次にメールを送った。
「今日の放課後話がある」と。
送信完了の画面を確認してから再びポケットにしまうと、
1分しないで携帯のバイブが鳴った。
メールを開いて見ると、「わかった」とだけの短い文。
「じゃあ放課後クラスにいくね」とだけ打ち、送信ボタンを押した。
---END---
いやーとことん恋次さん可哀想なキャラに・・・
申し訳ないです、恋次・・・!